「植民地化されていて駄目だ」

昨日見た『壁あつき部屋』で、一番印象的な台詞である。

米兵捕虜を暴行死した罪で巣鴨に入れられた三島耕の弟が内田良平である。
内田は、三島が戦争中に知り合った田舎の娘岸恵子に会いに行く。
岸恵子は、特殊飲食街で働いており、要はパンパンになっている。
その岸恵子について、共産党になった内田良平が言うのが、
「植民地化されている」という台詞なのだ。
1950年代当時、アメリカナイズされた文化、人間を、そう言って批難した。
ジャズ、ロック、果てにはワールド・ミュージックだと引かれて来たわれわれは、なんと言うのだろうか。
アジアやアフリカの影響を受けていても、植民地化というのだろうか。
1950年代当時は、安部公房でもこの程度の認識だったのか、と思った。

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