『玄海つれづれ節』

勿論、期待していなかったが、本当につまらない映画だった。
監督の出目昌伸は、東宝を出た後、ろくな映画を作っていないが(東宝でも『俺たちの荒野』だけだが)、これもひどい方に入るだろう。
脚本に笠原和夫さんも入っているが、本当にきちんと書いたのだろうか。
吉永小百合がトルコ嬢になると言うのが唯一の宣伝文句だったが、薄いベールを着て下着姿になるだけのこと。
風間杜夫が子役時代(本名の住田知仁)に出た『怪傑黒頭巾』が出てきたり、昔の人気スター伏見扇太郎が映画館主で出てきたりと、遊びもあるが少しも面白くない。
唯一楽しかったのは、吉永、八代亜紀、風間が歌い踊るシーンで、ここはスタジオでの幻想的なミュージカル・シーンになっている。
植木等の『無責任シリーズ』を見るまでもなく、娯楽映画にはこういう嘘のシーンがないと面白くない。
なにしろ1時間くらい過ぎても映画の方向性が不明なのだ。
方向が不明な映画は大抵駄目である。

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