『新しい土』

日独合作の有名な映画。
代官山のツタヤにあったので、借りてきて見たが、ほとんど「とんでも映画」だった。

ドイツから留学していた小杉勇が戻ってくる。
彼は、田舎の農家の生まれだが、養父早川雪州の養子になっていて、彼の資金で留学したのである。
その代償として、娘の原節子と結婚することが条件になっている。
こんな良い条件があるものかと思うが、小杉にはドイツから一緒に来たジャーナリストの恋人がいた。
さらに小杉は、狭い日本ではなく満州に移住し、農業をするつもりなので、おしとやかで大人しい原節子は無理だとして、婚約を破棄してしまう。
こんなバカ男が世の中にいるだろうか。
原節子と結婚できるなら、たとえ「月に移住せよ」と言われても承諾するのが日本男児だろう。

ともかく、やたらに地震が起きたり、住宅の裏に火山がある、ほとんどおバカ映画である。
最後、失意の原節子は、火山に昇って自殺しようとし、それを小杉勇が救い、二人は新しき土の満州に行き、トラクターで大型農業をする。

小杉勇はともかくとして、日本で生活している早川や原節子までもが、ドイツ語で台詞を話すのだから、あきれるしかない。
伊丹万作が、脚本・監督を嫌がったのは、当然と言うべきである。

もし、価値があるとすれば、大阪などの当時の関西モダニズムの都市の様子が映像として見られることぐらいだろう

ツタヤレンタル 

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コメント

  1. Unknown より:

    mgdby254
    どんなにつまらん映画でも、当時の町並みや風俗が観られるので旧作を観るのは止められない。