脚本山田太一、監督恩地日出夫。原作は木下恵介で、実際に横浜市南区にあった児童養護施設をモデルにしている。そこは、保育園も運営し、現在では横浜女子短大へと発展している。
その「あかつき子ども園」を出た田村亮と内藤洋子の話。
田村は、平塚の裕福な商店主・加東大介、加原夏子に貰われているが、内藤は流れ土工の小沢昭一と一緒。
最後、田村の生みの母・乙羽信子が横浜からブラジルに移民するところで、二人は再会し結ばれることを暗示する。
内藤洋子が最高、このとき16歳。喜多嶋舞より上手い。
内藤洋子の子ども時代を演じるのが、黒沢明の義子となった林寛子。
ブラジルへの移民船が三井商船の「さくら丸」だから、古い。私が知っているさくら丸は、「新さくら丸」で研修や展示船として使われていた。
恩地日出夫の演出もみずみずしい。最近の『蕨野行』など最低だった。