先日、大学の劇団の後輩・青木健の葬式に行った時、一緒に車で連れて行ってくれた大高正大君の話だと、今日本には、映画監督を自称する人間は、5、000人いるとのことだった。
勿論、劇場用映画のみならず、ビデオ、CM、あるいはテレビ・ゲーム用の映像の作家をふくめた上での数字だと思うが。
だが、5、000人とは異常である。
その中で、それなりの作品を作り、職業的な報酬も得ているのは、1%くらいだろうと言い合った。
それは当然で、1970年代に「今時音楽大学を出ても、オーケストラに入団することは不可能で、せいぜいヤマハ音楽教室の先生くらいだ」と言われた。
それと同じで、現在は全国の多くの大学、専門学校には映画科があり、そこは毎年多数の卒業生を出しているのだから、映画監督の数は増えるばかりである。
もちろん、その中で良い仕事ができるのは、ほんの少数であることは言うまでもない。