『アラブの嵐』

急死した祖父(千田是也の写真)に代わり急遽社長になりかけた裕次郎が、人生修行に世界へ行く話。
エジプトでアフリカの架空の国の独立騒動に巻き込まれる。

実際にエジプト撮影に行ったのは、裕次郎の他、役者では芦川いづみ(実にきれい)、小高雄二のみだろう。監督、制作、撮影、照明、録音等、全10人くらいが行ったのか。

ひどく安手の映画で、脚本に山田信夫が参加しているなど、到底信じがたい。
中平康としては、最低の部類。
この時代、アラブ・アフリカ諸国の独立は、絶対的に賛美されるものだったことが分かり、改めて驚く。

中平のベスト3は、『狂った果実』『紅の翼』『泥だらけの純情』だろう。
多分、『紅の翼』のような、大作映画監督になって行けば、成功したと思う。

晩年の作品は、悲惨だったようだ。
アート・シアターの『変奏曲』は、予告編を見たが、余りのバカバカしさにとても見る気がしなかった。

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