昨日見た『手錠をかけろ』で、佐藤允は、警察音楽隊員の傍ら、近所の児童合唱団の指導・指揮をしている。
歌う曲が、『赤とんぼ』で、時代を感じてしまう。
というのも、5年前、国連アフリカ開発会議が横浜で開催されたとき、会議に便乗して、ナイジェリアの作家エイモス・ツツオーラの『やし酒飲み』をミュージカルにして上演した。
この時、市内の高校生をオーディションし、歌の課題曲として『赤とんぼ』を歌ってもらうことにしたが、ほとんどの高校生が、この曲を知らなかった。
山田耕筰は、映画やラジオ、テレビに出るのが好きで、1960年代はよく出ていたので、私たちはよく知っていたが、その死後は随分となじみがなくなっているらしい。
さて、このコーラスのリーダー的な少年として小柳徹が出ていた。
じゃがいものような顔つきで、太田博之のような所謂美少年の子役ではないが、台詞はハキハキとしていて、芝居はうまい。
NHKの『ホームラン教室』で主演していたので、憶えている方も多いだろうが、こうした映画にも出ていたのだ。
だが、彼は若くして交通事故で死んでしまう。
また、この映画には、星由里子、若林映子も出ていて、星由里子は悪漢の情婦のごとき女で、最後はバスタオル姿で殺されてしまう。
この直前のシークエンスは寝ていて見ていなかったが、突然目が覚めて、星由里子のバスタオル姿は拝めたが、随分と大人びた感じである。
当時16歳だったはずだが。
若林映子は、売り飛ばされる女たちの一人らしく、よく分からなかった。