『青ひげ公の城』

冷たい雨の中、池袋に行き、豊島公会堂で、寺山修司作、流山児祥演出の『青ひげ公の城』を見る。
この公会堂に来るのは、多分50年ぶりくらいで、ここで山本宣治を主人公にした山本薩夫の映画『武器なき戦い』を見た。
松本俊夫や大島渚には手ひどく批判された映画だが、見たときは結構面白かった記憶がある。
さて、寺山修司の『青ひげ公の城』だが、1979年の西武劇場での初演を見ているのだが、ほとんど記憶はなく、主演の山本百合子は可愛かったことはよく憶えている。

                  

今回の流山児祥による再演は、原作にほとんど忠実なようで、寺山的台詞の洪水で、そこは流石だとあらためて思う。
ただ、これは寺山の演劇のみならず、映画などのどの作品にも共通することだが、抒情的に盛り上げたりする一方で、感情同化しないように冷たく突き放しているところもあり、現在演出するのは結構大変だなと思う。
個人的には、歌をはじめ、もっと毬谷友子が活躍してほしかったと思う。
豊島公会堂

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