死んだらそれまで 好きな映画スターベスト

キネマ旬報の「好きな男女優ベスト」を見る。
男優の1位は、三船敏郎、女優の1位は高峰秀子で、これはきわめて順当だろう。
2位以下は、森雅之、市川雷蔵、勝新太郎、高倉健であり、女性の2位は、若尾文子、藤純子、浅丘ルリ子、原節子となっている。
やはり、幅広い役柄を演じた俳優が上位に入っているが、男優で長谷川一夫が入っていないのが変だと私は思う。
もっとも、「好きな俳優」なので、長谷川一夫を好きというのは、彼の日本映画界への功績を別にしても、ファン以外では難しいかもしれない。
今回のでも鶴田浩二や阪東妻三郎は入っているのだから、この辺はやはり名作に出たか否かの差でもあると思う。

さて、1985年にもキネマ旬報は、同趣旨のベストを実施しているが、これが今回とまったく違うのである。
男優の1位は、高倉健、2位は石原裕次郎、同2位で三船敏郎、4位阪東妻三郎、5位になんと長谷川一夫なのである。
女性は、1位田中絹代、2位山田五十鈴、3位原節子、同3位で吉永小百合、5位京マチ子である。

小沢昭一が、昔「懐メロ歌手は死んだら駄目、生きていることが重要で、淡谷のり子が偉大とみなされたのは、長く生きていたからだ」と言っていたが、俳優もそのようだ。
もっとも、原節子は、1985年の時点でもご健在だったが、現役引退していたのに、みなの記憶に残っていると言うのはやはりすごいのだが。

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コメント

  1. 松木完之 より:

    映画人、評論家というものは・・・
    映画人、評論家などが選んだというのが曲者ですね。
    森雅之なんて一般の人はもう知らない存在でないですかね。
    長谷川一夫もそうですが、人気があった上原謙や石原裕次郎が入っていないというのは何かおかしい気がします。
    映画というのは芸術である前に娯楽として成り立っていなければならない気がするので、この辺は外せないような気がするのですが・ ・ ・
    そういえば、笠智衆も入ってないですね。松田優作が入るぐらいならこちらが先に入ってもよさそうにも思いますし、まぁ個人的な好みもありますから、愚痴の一つということでお許しください。

  2. AK より:

    文春
    はじめまして、以前から貴ブログを拝読していましたが、初めて書き込みします。

    1980年代後半に文芸春秋が著名人相手に行った洋画アンケートでもその種の「時代をうかがわせる」ランキングでした。コリンヌ・リュシェールがベスト10に入ったんですよね。回答者にどの年代が多かったかわかるような。