地域振興券は大変だった

プレミアム商品券で、八王子の某金融機関で不正があったとのことで、これはひどいが、思いだすのは、「地域振興券」である。

1999年に公明党が与党に入る条件として行われ、条件を満たす国民に一律で2万円の金券を配布するもので、某区の課長をやっている時、担当だった。

二人の担当係長が優秀で、よくやってくれたので、私は楽をしたが、関係した人は皆「こんなもの二度とやりたくない」と言っていた。

申請者の要件を審査するのが非常に大変で、そこでも臨時職員を10人以上、その職員を統括する係長的な人間も一人雇用していた。

すべては国の交付金なので、どうでも良かったと言えばそれまでだったが。

この地域振興券は、実はアメリカの生活保護に該当するブルー・スタンプ制度からヒントを得たものだと思う。

生活保護を現金で交付するのは多分日本独自で、海外ではこのように特定の場所(日用品の販売店)でしか使用できない券を交付する国が多いそうだ。

日本の生活保護制度も問題点が指摘されているが、受給者を審査する専門職員が配置されている。

だから、こうした公的機関からの現金あるいは、金券の交付には、本来はきちんとした審査が必要なはずで、そうしないと八王子のような事件が起きるのだと思う。

そうした手間は面倒だからと、抽選等で無差別に配布することにしても、どこかで不正に入手しようとする者はいるものなのだから。

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