テレビで人気になったが、元々の大映のをレンタルで見た。原作山崎豊子、脚本依田義賢、監督三隅研次。船場の老舗の3姉妹が、京マチ子、鳳八千代、高田美和。冒頭で死ぬ父親の深見泰三の妾が若尾文子。遺言執行人で狡い大番頭に中村雁冶郎、その愛人が北林谷江。深見の妹で、姉妹のあれこれに口出しするおばが浪花千栄子。
浪花と雁冶郎のやり取りが最高に面白い。台詞の間や抑揚がとても上手い。
色と欲、ここでは深見が残した遺産の相続をめぐる争いで、各自のケチさ、欲深さが中心。
京の踊りの師匠で愛人が田宮二郎で、山と木にひどく詳しく、伐採権云々が面白い。
高田美和はまだ十代だったはずだが、完成した顔付である。
最後は若尾が一番得し、婿養子で権勢が全くなかった深見が、総てを承知し見て見ぬふりをしていたという落ちが付く。
音楽斉藤一郎、撮影宮川一夫という豪華スタッフ。助監督田中徳三。
予告編の最初と最後には例の「映画は大映」のタイトルが出るが、この頃の大映は本当にすごい。