『ベスト・キッド』

『2』は見ていたが、これは見ていなかった。

ニュージャージーからカルフォルニアに引っこしてきた高校生ダニエルが、空手の名人ミヤギと会い、カラテを習って大会で悪道場の連中に勝っというもの。

このミヤギが、名人であることがなかなか明かされず、40分たってやっと、ダニエルが悪漢にやられているときに、いきなり飛び出し、一気にやっつける。

ミヤギは、沖縄出身で、ハワイのサトウキビ畑の労働者として移民し、戦争中は欧州戦線で戦った。

妻と子は、マンザナの収容所で死に、彼は一人で家や車の修理で生きている。

軍人恩給があるので、仕事は趣味のようなもので、悠々自適ということだろうが、アメリカの軍人恩給はかなりの額なのだろうか。

私にも、親戚に軍人恩給を受給しているおじさんがいたが、相当な金額で、しかも他の収入があっても受給できたようだ。

それだけ、戦争で国のために戦ったので、当然優遇されていたということだろう。

ミヤギがダニエルにカラテを教える方法がおかしく、車のワックス掛け、床磨き、塀のペンキ塗りなどで、その両手の動きを身につけさせるというもの。

到底本当とは思えないが、こうしたいい加減さが楽しく、所々に挿入される抒情的なシーンが美しい。

監督のジョン・アビルドセンは、言うまでもなく映画『ロッキー』の監督で、この人はアクション映画だが、抒情的なところが良い。

日本で言えば、意外にも抒情的な舛田利雄にもそうしたところがある。

最後は、勿論悪党道場の連中にダニエルは勝って大会で優勝する。

ときに、ミヤギのシーンになると、奇妙な笛の音が流れたり、ミヤギの家に石灯籠が鎮座していたりの日本趣味が気になるが、国辱性は低いほうだろう。

イマジカシネマ

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