大庭秀雄

以前買った大庭秀雄監督のビデオ『ある落日』を見終わる。
井上靖原作、岡田まり子(字が出ない)、森雅之主演のメロドラマ。
妻のある社長森(勿論、病気で療養中)と独身のタイピスト岡田の不倫劇。
この二人の関係の描き方が大変論理的で、自然なのだ。
最近のいい加減な恋愛劇に比較して、極めて清潔で見ていて気分が良い。

大庭秀雄は、大ヒット映画『君の名は』の監督であり、大島渚の師匠だが、『君の名は』でも三角関係の描き方が大変論理的で感心したものだ。
ここでも森と岡田の二人が関係する過程がとても自然に描かれていて、全く無理がない。
大庭は、『君の名は』のために、メロドラマ監督とみなされ、松竹大船の監督でも中村登などよりは低い評価を受けているようだが、私は大庭の方が上だと思う。

この映画の制作中、大島渚は新人紹介の短編映画『明日の太陽』(十朱幸代のナレーションで、桑野みゆき、山本豊三、杉浦直樹、九条映子らを紹介する)を撮ることになり、チーフ助監督田村孟が大船撮影所をクルーが出発するとき、「大島組、『明日の太陽』出発します」と連呼するので、師匠の大庭さんが『ある落日』なので、中てつけみたいでとても気がとがめたと書いている。

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コメント

  1. 森&岡田
    この二人は
    こちらでも不倫カップルだったのですね。
    (お似合いのふたり)

    人物もよく描かれているのでしょうか。
    映画もいつか見たいですが、
    井上靖の原作もぜひ読みたいと
    思いました。