『バイバイ・ブラジル』

1980年に作られたブラジル映画。ドサ周りのインチキ手品師(ジプシー・キングという名がおかしい)と、そこに入ったアコーディオン弾きの若者夫婦の話。

ブラジルの電気もないような田舎専門にまわるが、次第にテレビが普及し、客が来なくなる。同じく、ドサ周りの映画上映屋がいるのが面白い。地方周りの映画屋は、細川周平さんの名著『シネマ屋、ブラジルを行く』にも出てくる。

手品師は、賭腕相撲で唯一つの財産だったトラックも失い、妻に売春させるまでになる。若者は、若妻に売春はさせられず、希望の都市・ブラジリアに行く。ブラジリアでは、ソーシアル・ワーカーが仕事、家等を世話してくれる。
最後、若者は一応ミュージシャンに、手品師もキンキラキンのトラックを買い、多くの女性を加え各地を廻っている。鉱物の密輸出で儲けたのだ。

実に面白い映画で、ロード・ムービーであり、味わいとしては日活ロマン・ポルノに似ている。
まさにロマン・ポルノ全盛時代で、日本とブラジルで同様の傾向の作品が作られていたことが、きわめて興味深い。

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