『極底探検船・ポーラボーラ』

1977年に、ランキン=バス・プロと円谷プロで作られた日米合作作品。監督は小谷承靖で、主演はリチャード・ブーンら米国人俳優。

石油王の社長ブーンの石油探検船が北極に行くと、恐竜がいたというので、社長自らポーラ・ボーラ号に乗り込んで極地に向かう。

メンバーは5人で、目撃者の白人の研究者、女性のカメラマン、日本人学者の中村哲、そしてマサイ族の長身の男と各人種を混ぜているのはさすが。

地底を破って地上に出ると、そこは恐竜等が生きている中生代の世界。

実は、そこは上高地の大正池とその周辺で撮影されているのだが、結構中世代の世界のような気がしてくるのは不思議。

地球の年代の変化は常に全地球的に起こっているので、ある部分だけ残っているというのはおかしいのだが、まあいいだろう。

さらに、そこに原始人の群れがいるのは全く変で、当時はまだ哺乳類はネズミの類しか存在せず、原始人はおろかチンパンジーもいなかったのだから。

当然にも原始人の女もいて、半裸の関谷ますみが出てくる。こういう半裸の女優は、特撮もののお約束事である。

ついに肉食恐竜ティノスザウルスに追われて中村哲とマサイ男は死んでしまう。

最後、ポーラボーラが発見されて、女性記者と白人研究者は船で元に戻る。

だが、狩猟好きのリチャード・ブーンは、「この世界の方が人間的な世界だとして戻らない」とし、あくせくしたビジネス世界など嫌だと言う。その後を関谷ますみが追う。ナンシー・ウィルソンの主題歌『ラスト・ダイナソー』が流れるが、この最後の恐竜というのは、社長のリチャード・ブーンとのことでもあるのだろう。

ここには環境問題への意識もあるように見えた。アメリカではABCテレビで放映され高い評価を受け、その後トム・コタニは数本の合作映画の監督を務めることになる。

日本映画専門チャンネル

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