日大アメリカン・フットボール部の悪質タックルで話題のアメリカン・フットボールだが、これが出てくる日本映画がある。
1974年の神代辰巳監督の映画『青春の蹉跌』で、主人公の法学部の学生の萩原健一は、アメリカン・フットボールをやっている。
彼は、母子家庭(母は加藤治子)の息子で、家庭教師をしながら大学に行っていて、高校生の桃井かおりと関係していたが、裕福な家の娘で初心な檀ふみと婚約する。
妊娠して邪魔になった桃井を雪山に誘い出して殺してしまう。
最後、ゲームの最中に首を折ってしまい萩原健一はあっけなく死んでしまう。
その時、萩原を殺人犯として目星を付けていた下川辰平の刑事は呟く、
「あの娘の腹の中の赤ん坊は、あいつとは違う血液型の子だった」
要は、上昇志向の若者を否定した筋だが、神代や脚本の長谷川の考えなのだろうか。
長谷川和彦は東大でアメリカンフットボール部だったそうだが、原作の「石川達三なんて大したことはない」と放言したりして話題になったが、映画は結構面白いものだった。
映画の冒頭は、今はなき磯子プリンスホテルの野外プールをローラースケートを履いて清掃している萩原の姿で、大変に貴重な映像である。