はまどり会に出る

横浜市港湾局職員のOB会があると知ったのは、去年のことで、今回初めて参加した。

はまどり会、まずは講演会「横浜港の物流戦略」で、港湾局港湾物流部長の植松久尚氏。

私は、36年間横浜市にいたが、市会事務局、国際室、コンベンション、パシフィコ、さらに図書館と、二度の区役所勤務を除けば、虚業のような部門が多かった。

中で、港湾局では、振興課国際交流担当係長はやや虚業的だった。

だが、港営課管財第一係は、港湾エリアの財産を管理する仕事で、言わば実務を担当したというやりがいのあった職場で、私は非常に愛着があるのだ。

植松さんは、ふ頭事務所勤務を始りに港営課にもいた方だそうで、日本郵船への派遣も経験していて海外の事情にも通じているようだ。

実は、このところ、朝早く目が覚めて、寝不足気味だったので、講演会は寝不足を解消できるかと思ったが、目が覚める港湾を巡る事情も大きく変わったなと思う内容だった。

まず、横浜港の港勢(こうせいと読み、各港湾の実情を示す指標)では、出入港船舶数、コンテナ取扱件数とも、このところ東京港に抜かれていて、伸び悩んでいる。

横浜は、輸出が多いので、仕方がないのだが、さらに驚いたのは国際的なコンテナ船のアライアンスの再編成だった。

三つのグループにほぼ再編さえされていて、まず

1 マークス

2 CMA(フランス系),CGM

3 日本アライアンス

なにしろ、日本アライアンスには、郵船、三井大阪商船、川崎汽船が連合するというのだから、驚き。

コンテナ船の元祖シーランドは、とっくにマークスの吸収されているが、かの名門のAPLも2のフランス系連合の傘下になっているのだそうだ。これも、原因はコンテナ船の大型化で、かつては4,000TEU(20フィートコンテナが4,000本)で大型船だった。だが、今や30,000などという超大型船も就航しているとのこと。言うまでもなく効率化である。

そして、一番の驚きは、㈱横浜港埠頭の他、去年には横浜川崎国際埠頭㈱が作られてポートセールスもやっているとのこと。在来埠頭は横浜港埠頭が、コンテナは横浜川崎国際埠頭が担当しているとのことで、一体横浜市港湾局の仕事はどこにあるのかと思う。

懇親会に来られた伊東慎介局長に、この問題と山下ふ頭の再開発は平気なのか聞く。

前にも書いたと思うが、私は山下ふ頭にカジノを作ることに反対ではない。

ただ、山下ふ頭は、国有地と民有地が主で、横浜市の土地がないことは、(新興ふ頭にしろ、港みらい地区にしても埋立等で相当な市有地を持っていた)横浜市にとって、山下は市有地ないので、大変だと常々思っていた。

その旨、伊東局長にお聞きすると、「国と交換して山下に市有地を確保してますよ」とのお答え。さすが抜け目のない伊東慎介君。

それは本牧ふ頭のAの土地と交換したとのこと。ここはかつては川崎汽船のコンテナバースだったが、すでに終了していて川崎汽船は、大黒にコンテナ・バースを移転しているそうだ。

そして、本牧のAバースは、将来はロジステック・パークとして物流基地にしていくとのこと。

南本牧埠頭の建設の他、将来は本牧のDふ頭から伸ばして新本牧埠頭を作ることも決まっている。そうなるとまた漁業補償で、本牧等の漁業組合の方は、永久補償を受けることになる。

さらに、環境対策として、重油ではなくLPGでコンテナ船等を動かすLNG船の就航とLNG注入のバンカリングなども重要な要素のようだ。

こうした元の職場のOB会などくだらないという人もいるだろう。だが、地球生物史40億年の中で、人間がチンパンジーと別れたのは、たった700万年前であり、群生のチンパンジーと人間は極めて近く、本来人類は本来群生なのだ。

その点孤独に暮らすオランウータンとは本質的に異なる。だから、人間がどこかでグループを求めるのは当然のことなのである。

横浜港のみならず、日本の港湾の問題については、また別に書く。

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