稲田朋美と同じことをした人がいた

稲田防衛大臣の選挙運動での演説が問題になっていて、それが今回の都議会議員選挙での自民党の大敗の原因の一つだと言われている。

果たして、稲田大臣が行った選挙運動の場所がどこかよくわからないが、練馬の自衛隊施設の近くだとすれば大問題である。

なぜなら、公職選挙法上の地位に利用に該当するからである。

この規定は、もともとは参議院全国区などで、国の高級官僚が関係団体の人間に対しての選挙運動を禁じることから生まれたものである。

この禁止の規定に抵触した人がいる。元横浜市港北区長で、今が町田市長の石坂丈一氏である。

彼は、港北区長を辞めて町田市長選挙に出るとき、ホテル横浜ガーデンで総決起大会を行った。私も彼のことは係長時代からよく知っていたので、寄付はしたが会には出なかった。

理由は簡単で、自分の横浜市での実績と自慢しているパシフィコ横浜ではなく、ホテル横浜ガーデンなどの「ちゃちなホテル」でやったからである。「自分が育て上げたと自慢しているパシフィコ横浜でなぜ大会をしないのか」である。

後に、これが選挙違反の地位の問題になって、県警に私も調べられた時、一人の刑事はこう言った。

「あの大会は全員横浜市の関係者だったのだから、地位利用で、たとえば数人でも民間人がいれば地位利用にならなかったのだよ」

「ああそうか」と思った。

日ごろ、自分は役人的ではなく、民間的だと偉そうに言ってきた石坂が、結局総決起大会には横浜市役所職員しかいなかったのは、まことに皮肉なことだった。

そう考えると、今回の稲田大臣の場合は、その会場に自衛隊員がいたとすれば、明らかに地位利用で選挙違反となると私は思う。

弁護士の稲田先生が、この程度のことが分からないとは非常に驚きである。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする