川島雄三の名作をビデオで所有した。
川島は、原作・文芸物が多く、本人の意思がよく分からないところがあるが、これは川島の本音に近いのだろう。ともかく面白い。
合法的に様々な手を使って、タレント事務所の金を横領しまう、人間たち(若尾文子、高松英郎ら)。
外見は貧乏に見せて、実は大変豪勢な生活をしている元軍人の伊藤雄之助。
このずるさは、川島の本音のように思える。
弟子の今村昌平によれば、川島は「いかに旨い酒を飲むか」が目標だったらしい。
映画会社各社を渡り歩いたのも、その性らしいが、日本映画の古きよき時代である。