公明党の強さは

小池百合子の希望の党が台風の目のようになっているが、一番笑えたのは、選挙後の首班指名で、「公明党の山口奈津男がいいのでは」と言ったことだろう。

これは、月曜日の記者会見の前に公明党に連絡していなかったことのお詫びだそうだが、それほどにも公明党に気を使わなくてはならないのかと不思議に思う方もいるに違いない。

私は、横浜市のある区の課長をやっていた時、創価学会の凄さを経験したことがある。それについては、2008年に次のように書いた。

ちかじか総選挙になるようなので、公明党・創価学会の選挙すごさについて書く。
以前、区役所で福祉関係の課長をやっていた。
高齢の女性がいて、生活保護を受け長期に病院に入院していたが、ある日突然退院し一人でアパート暮らしを再開した。
高齢・病弱なので、「退院して平気なのか?」と担当のケース・ワーカーに聞いた。
彼は言った。
「今度選挙があるから、それまでは創価学会が面倒を見てくれるから一人暮らしが出来るのですよ」
彼が言うには、冷蔵庫には食品が入れてあって、毎日誰かが来て食事を用意して、洗濯、掃除もしてくれる。
そして、投票日には一緒に投票所に行くのだそうだ。
たしかに、そこまでされれば人情として、公明党に投票するだろう。

本来、30床程度の病院なら、公立、民間を問わず「病院投票」制度があり、病院でも投票は可能だが、そんなことは彼らは問題にしない。
その期間、地域の支持者の面倒を見て、その見返りとして投票してもらうのである。
ここまで出来る政党は日本では公明党だけである。
私は言った。
「一年中選挙をやっていれば、行政の負担も随分減るね」
「みんなよく知ってますよ。選挙が終わればまた入院させられますよ、と言っているんですから」とのことだった。
公明党って本当にすごい。こうした草の根のある種の「社会運動」は、多分パレスチナのハマスやアフガニスタンのアルカイダにもあるのではないかと思う。
彼ら、テロリストをいくらアメリカが攻撃しても滅びないのは、多分このような草の根の運動があるからだろうと思う。

このように支持者は、周辺の男女を選挙になるとケアして投票に結び付けるのである。日本は現在は、「幸福な社会」だが、それでも生活保護を典型に、障害、高齢、貧困等の家庭は必ず存在し、多分数パーセントになると思う。

だが、投票率は50%なので、この数パーセントは10%近くになる。

つまりは、大きな塊であり、これを最初に気づいたのは今は自由党の小沢一郎で、創価学会を取り込んで新進党を作ったのである。

そして、選挙に出て新進党の躍進を起こした。だが、これは小沢一郎への強い嫌悪感からか、分解してしまう。

その後、自民党は公明党に接近し、取り込むことに成功し、この間の自・公体制が続いている。

だが、この体制には本質的な問題がある。地域の自民党の支持者には、創価学会・公明党へのアレルギーは非常に強いからである。

「あいつらは行政のお世話になっていて、行政から金を貰っているのは許せない」というのが地域の自民党幹部の声である。

今や、公明党の組織力なしに自民党の選挙は成り立たないのだそうだから、これはどうなっているのかと思うしかない。

今度の選挙はどうなるのだろうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする