テレビの午前、午後は相変わらず「ワイド・ショー」が花盛りで、今は日馬富士の暴行問題である。
真実がどうかは、もちろんわからないし、それに特に興味はない。
ただ、注目されるのは、ワイドショーで、話題のことがらについて、フィリップを立てて、説明するやり方である。あるいはパネルの画面に事項を写しておいて、順に説明していくという手法も使われる。
中には、重要な文字群をまずは隠しておき、途中で隠しておいた文字を順に明らかにするといった方法もよく使われる。
これはよく考えると、伝統芸能にあった「絵解き」の現代版なのではないかと私には思える。
絵解きは、曼荼羅、仏教説話、事績等の絵を基に解説し、仏教への帰依を説くもので、多くは比丘尼(女性)によって行われたとされているが、次第に芸能化し、説教節、浪花節等の源流の一つになった。
ワイドショーの解説のこのやり方が、いつ始まったのかよくわからないが、私の記憶では、日本テレビの『ウイークエンダー』での泉ピン子だったように思う。
その意味では、女性芸人だったピン子が始めたとすれば、これまた伝統芸能の歴史を受け継いでいると言えるだろう。
テレビが始まったとき、大宅壮一は「電気紙芝居」と言ったが、まさに伝統芸能は根強く日本のメディアに受けつがれていると言える。