大評判の西川和美脚本・監督の『ゆれる」を見た。
少々長い気もするが、良く出来た作品である。
西川監督は、演出力がある。
オダギリジョー、香川照之、そしてなんと言っても検事の木村祐一が最高。
木村は、私の贔屓の辺見えみりを奪った嫌な奴だが、この検事の演技はその嫌らしさが最高に出ている。私は大爆笑した。
話は、ビリー・ワイルダーの『情婦』を逆にしたような構造。
役者の演技が良い。前半でもっと兄弟の対立を見せた方が良いとは思うが。
最後、刑務所を出た兄を道端で見つけ和解を示唆するが、ここは問題のつり橋で兄を見つけ、投身自殺を救う、と言った「ださいストーリー」にした方が良かったのではないか。
併映で見た『パビリオン山椒魚』は、やたらカッコを付けているが、中身が全くなく最低。
ただ、麻生裕未は相変わらずきれいで、菊池成孔の音楽は良かった。多分、武満徹を目指していると思うが。
横浜黄金町、シネマ・ジャック