星由里子が死んだそうだ、73歳。
もっと上かと思っていたが、ほぼ同世代なのだ。デビューが十代で、しかも初めからスターだったので、ずっと上と感じていたのだろう。
出た作品は非常に多いが、残念ながら、これという映画はないように思う。
当時は、どこの映画会社も多作時代で、しかも会社ごとのカラーが決まっていたので、「若大将シリーズ」の加山雄三の恋人役に象徴されるように、主役男性の添え物的役柄だった。
だから、五社協定の縛りが緩くなった1960年代後半以降に注目される作品がある。
豊田四郎監督の『千曲川絶唱』、沢島忠監督の『北穂高絶唱』などだが、一番出来が良かったのは、1968年の日活の石原裕次郎と共演した『忘れるものか』ではないかと私は思う。
この時期、石原裕次郎も作風を変えるために、他社から女優を迎えてアクション映画を作っていた。桑野みゆきとの『夜霧の慕情』、浜美枝との『昭和のいのち』など。その一つが星由里子との『忘れるものか』だった。
これは、京都を舞台にした作品で、関西出身の松尾昭典監督なので京都が上手く捉えられていたと思う。これは、石原裕次郎と二谷英明との間に挟まれる役で、また死んだはずの二谷が実は生きていたという、複雑な筋で出来は良かったと記憶している。
肺がんとのことで、やはりタバコは良くないと思う。
西城秀樹の死因は、脳血管障害に起因するものと思われ、日本人の2大死因は、脳血管障害とガンであることが証明されたことになる。
時代を作ったスターのご冥福をお祈りしたい。