言わずと知れたレゲエ映画の最初にして、その後レゲエ映画はほとんど作られていないので決定版。
地方から大都市に出てきた青年ジミー・クリフが、最貧困から、ヒット曲を当てるが、レコード業界は既存勢力に占められていて、仕方なく麻薬取引に手を出し、殺人を犯して警察に追われ射殺されるまで。
英雄的と言うか、適当な生き方と言うべきか、何事も本音のレゲエらしい主人公の生き方で、私がレゲエを好きになれない理由もよく分かった。
ここには、ブラジルのサンバ、キューバのソンのような「粋な」ところがないからだろう。
そこが逆に1990年代以降に、なぜか日本でも非常に受けている理由でもあろうが。
彼のライブは一度見たことがある。
1985年読売ランド・イーストで行われた公演で、ナイジェリアのキング・サニー・アデとのジョイントだった。
この日、サニー・アデもいまいちで、その前年、1984年11月に来た時の伝説的な公演よりは遥かに落ちたそうだが(その時は私は仕事でアメリカにいて見られなかった)、それでも彼はさすがと思わせた。
だが、ジミー・クリフはやたらに軽くて「これがレゲエなの」と思ったものだ。
渋谷ヒューマントラストシネマ