日曜日に、以前に録画した溝口健二の映画『残菊物語』を見た。
昔、三百人劇場で見たが、再見してやはりすごさに感動する。
花柳章太郎の演技もすごいが、役者の演技をじっと見つめている溝口の目がすごい。
松竹京都の制作だが、セットが立派。
また、歌舞伎界の話なので、歌舞伎の『関の扉』と『石橋』が出てくるが、これが実に立派。
松竹は、元々は歌舞伎(京都の南座での売店から事業を始めた)なのだから、きちんとできるのは、当然なのだ。
ここでも、有名なワンシーン・ワンカット技法も使われているが、後年のようにあまり動かないのは、カメラマン三木慈人氏の意思なのだろうか。