殿山泰治は歌が上手かった。

映画『足摺岬』の中で、薬売りの殿山泰治が、「オイチニのクスリのコウヨウは 」と歌うが、さすがに晩年ジャズに狂ったタイチャンだけあって、音程は正確でリズムも良い。『スイング・ガールズ』のスタッフ、キャストはタイチャンを見習った方が良いのではないか、と思ったのは私だけだろうか。

『足摺岬』は、ケレン演出の多い吉村公三郎の中では、大変センチメンタルだが、正攻法で素直な映画である。
木村功のか弱きインテリが最高。津島恵子の純情さも今の女優にはない。今の女優は清純派でも、裏では援助交際しているのでは、と見えることがある。別に悪くはないけれど。
婆さん女優が、原ひさ子(まだ94歳で健在だそうだ)、小峰千代子、田中筆子、原泉と多数出てくる。
また、ドラエモンの夫・砂川啓介が自殺する中学生で、脊髄カリエスの少年に河原崎健三が出ている。また、食堂の学生が後に日活でおなじみとなる近藤宏。

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コメント

  1. yam より:

    ray
    初めまして。ご主人!

    ご主人と同年生まれ、広島出身♂です。いま、チバにいますが。

    いま、RAYとかいうレイチャールス伝記映画をやっているようですが。。。殿山に、Rayをやらせ、たら。。。
    もう、死んだのかな?泰ちゃん。

    わたしの母は原爆が落ちた日から広島に入り(汽車は、大丈夫だったのです。石炭だから。。)、
    親戚を捜しました。地獄じゃったよのお。。とゆうていました。

    いまNHK総合で原爆ドキュメンタリをやってますが。。
    原爆スラム、だと。負けるべくして負けた。国とはいえない。糞ったれの国です。

  2. 平成元年に死んでいます
    泰チャンは、1989年4月30日に御茶ノ水の三楽病院で死んでいます。74歳。
    この三楽病院に、私は目の手術で小学2年のとき約2ヶ月入院していました。
    泰チャンの死については、新藤兼人が『三文役者の死』と言う本を岩波の同時代ライブラリーから出しています。
    また、竹中直人主演で『三文役者』も撮っています。
    サングラスをかけた泰チャンは、レイに良く似ていますね。聞くときっと喜んだでしょう。良い供養ですね。