自民党総裁選挙は、谷垣に同情票が入るのではないかと書いたら、谷垣は辞退してしまった。
そして、石破、石原、安倍、町村、林の5人が立候補したが、誰も同じで大差がないように思う。
誰もが、あまり明るくない点は共通している。
田中角栄の秘書に早坂茂三というのがいて、彼の本には極めて興味深いことが書かれていた。
彼は、早稲田大学時代は日本共産党員で、卒業後は東京タイムズ新聞に入り、政治記者から田中角栄の政務秘書になった男なので、日本の左右両極を良く知っていた。
彼によれば、日本人というのは、右でも左でも、本質的に明るく素直な人間が好きなのだそうである。
だから、反体制でも、やはり社会党がメインで(1970年代の本である)、共産党が主流にはなれないのも、共産党には素直さがないからだそうだ。
日本共産党支持者と言うのは、東大を出ているなど、学校の成績は優秀だが、なぜか社会や組織の地位に恵まれず、下にいるような連中が多いのだそうだ。
その点、同じ反体制でも社会党は、単純で明るいので、多くの普通の人間から支持を得られるのだそうである。
これは乱暴な区分けだが、両党の違いをよく表現していると思う。
また、日本共産党は、ロシア共産党以来の党の秘密主義と閉鎖性が問題だと思う。
今回の自民党総裁選挙の候補者は、すべて世襲議員で、早坂茂三説によれば、本来は明るいはずだが、それほど明るく見えない。
これでは先が思いやられるというか、やはり自民党は、小泉純一郎元首相によって「ぶっ壊されて」しまったのだろうか。
今日の東京新聞は、5人の候補が以前の自民党よりも、より右側なのは、この3年間の野党生活の中で、結党以来の原理原則に戻ってしまい、極端な傾向に出てきていると言っているが、そのとおりだろう。
5人の中では、林芳正候補のみが「金持ちケンカせず」的な雰囲気を持っているのが唯一救われるが、絶対に勝たないだろう。