昭和30年代、首都圏で大繁盛した施設に、船橋市にあった船橋ヘルス・センターがある。
ここは、東京湾一帯の地下から出る温泉を元に、浴場を中心とした娯楽施設を運営していた。
「長生きしたけりゃ、ちょとおいで、チョチョンのパ、チョチョンのパ」という楠トシエのCMソングで有名だった。
1970年代に閉鎖され、ララポートになったが、それもやめたようだ。
船橋ヘルス・センターについては、渋谷実監督、淡島千景、有馬稲子主演の松竹映画『もず』、さらに豊田四郎監督、京マチ子、桑野みゆき主演の東京映画『甘い汗』で、主人公たちの保養のシーンとして出てくる。
『もず』では、居酒屋の中年の仲居・淡島が、友達の清川虹子と出かけ、大広間の舞台で踊る。
清川は言う「100円温泉で気晴らしだ」と。
また、『甘い汗』では、桑野みゆきが叔父の名古屋章・川口敦子一家と大プールに行き、桑野の水着姿を見せる。
この作品の脚本は、どちらも水木洋子で、当時彼女は千葉の市川市に住んでいて、実際に行ったことがあるからだろうと思う。
「100円温泉」は、昭和30年代、庶民の身近な娯楽、代表的なレジャーの一つだった。
また、船橋のみならず東京太井の平和島にも温泉会館があり、多くの客を集めていた。
日本人は、本当にお風呂好きなのである。
コメント
指田さまのブログで
船橋ヘルスセンターの話題が取り上げられるなんて
思ってもいなかったのでなんだか嬉しいです。
母の実家が千葉でしたので
子供の頃、家族で 5回くらい行ったことあります。
香水風呂、レモン風呂、etc…沢山の種類あり
10代とおぼしき若い人達の
「船橋少女楽団」が専属にいて
えんじ色の制服で ステージで演奏していました。
子供心にも とても達者に感じましたが
あの方達も、もう古希を過ぎていることでしょう。
TVで、追跡のような番号で
取り上げて欲しい気がしております。