『太陽と血と砂』

1960年の新東宝映画、逗子の海岸で、三ツ矢歌子が絵を描いているところに、松原緑郎が自転車で通りかかり、会話を交わす。
彼は、逗子駅に姉の池内淳子を迎えに行ったところで、池内は寺島達夫を連れてきていた。
3人はヨットに乗り、松原は二人の関係を推測し、ヨットから海へ身を翻して去る。
池内と寺島の乗るヨットに、モーターボートの不良3人組が来て、池内を拉致し、暴行してしまう。
乱れた服装で家に戻った池内は、イショを残して入水自殺してしまい、ここから松原の3人組への復讐が始まる。
本来、復讐すべきは、寺島だが、彼はひ弱な男で、3人組のリーダー鳴門洋二は、寺島の会社の社長の息子なので、何もできない。
遅れてきた「太陽族映画」なので、逗子海岸、ヨット、キャバレー等が出てくるが、新東宝なので、日活に比べて道具立てが貧弱で、逆に妙なリアリティがある。
松原は、3人組を追い詰め、さらには三ツ矢歌子ともセックスしてしまい、罪にとらわれる。
この映画で貴重なのは、TAKARAビールが出てくることで、宝焼酎が出したビールだが、売れずにやめた銘柄である。
最後、松原は、鳴門と水上スキーで決闘を挑み、二人とも水死してしまう。
主要スタッフ、キャストでご健在なのは、監督の小野田氏と音楽の渡辺氏だけに違いない。

チャンネルNECO

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