『怒りの荒野』

1967年のマカロニ・ウエスタン映画と言っても、イタリア・ドイツ映画になっている。
ドイツは、西ドイツだが、実は東ドイツでも西部劇映画は作られていたのだそうだ。

ある町に凄腕のガンマンのリー・バン・クリーフがやって来る。
そこには、娼婦の子で、糞尿運びをやらされているジュリアーノ・ジェンマがいて、彼はガンマンになろうとする。
アメリカの西部でも糞尿は当然にも出て、それを樽に入れて運び、馬小屋の穴に捨てている。その後はどうなるのかと思うが、たぶん埋めてしまうのだと思う。大岡昌平の『俘虜記』でも、米軍は地面に穴を掘って捨て、一杯になれば埋めてしまうものだったと書いているのだから。

リー・バン・クリーフは、ジェンマ君に「ガンマン十戒」を教え、実際にやって見せる。
日活にも『紅の拳銃』があり、これは元軍人の垂水吾郎が、赤木圭一郎を訓練するもので、非常に面白かったが、赤木はこの後、ゴーカートで死んでしまったので、遺作になった。これの原作は、田村泰次郎で、田村は元はフランス文学なので、フランスの小説にこうした「十戒もの」があるのだろうか。

リー・バン・クリーフは、以前、自分も加わったあるヤマの自分の取り分の金を返してもらうと、町のボスたちを脅し、ついには町の酒場を手に入れてしまう。
この辺の仕組みがよく分かりにくいが、彼は善なのか、悪なのかよくわからないところが面白い。
そして、最後は彼とジェンマ青年の対決になる。
ジェンマは、かつて馬小屋に一緒にいた元ガンマンから、リー・バン・クリーフの勝利の仕組みを教えてもらう。
それは、拳銃を短く切っていて、早く抜けるというのだ。「へえ、そうかね」と思う。

もちろん、ジェンマ青年が勝ってエンドマーク。
昔、横浜市の「石坂丈一事件」で、私も神奈川県警5課の刑事の取り調べを受けたことがある。
彼の話では、「今の日本の警官の拳銃でも、30メートル以内なら必ず当たる」とのこと。
ただ、引き金の引き方が難しく、なかなか指に当たらないので、つい強く引いてしまい、銃口が上がってしまうのだそうだ。
決まりでは、1月に1回訓練を受けることになっているが、忙しくて行けないと嘆いていた。

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