『トゥーランドット』

土曜日の夜、天王町の横浜ビジネス・パーク内で行われた『トゥーランドット』を見る。
5月の「アフリカ開発会議」協賛イベントのミュージカル『やし酒飲み』に出た高校生も出ているので見にいった。
残念ながら感心できない出来だった。
実は、去年もこの劇は、県立平沼高校でやった試演を見ているのだが、そのときに感じたことと全く同じことを感じた。

かぐや姫のような謎掛けの単純な構造なのに、ドラマの筋がよく分からない。
途中で多くの観客がパンフの筋書きを読んでいた。
演出の田辺久弥には、「物語を観客に分かるように語る」という親切が根本的にない。
会場が広すぎて、特に群集役の高校生の台詞はほとんど聴こえないので、いらいらしてくるが、変な踊りを含めて延々と30分も余計な芝居をやる。彼らからも、参加料をもらっているので、見せ場を作らなければいけないのだろう。だが、そうした本来の筋と関係のない無駄を見せられる観客はどうなるのだ。
さらに、役者の内的感情を無視して演出しているように見えた。
要するに、自分のセンス、考えの押し付けで、役者を振り回している。
黙阿弥の「三親切の法」で言えば、お客に不親切、役者にも不親切である。金主は誰なのか知らないが、金主にも不親切になっているだろう。
ともかく高校生相手に、こうした「呪文劇」を上演することが、エデューケシンプログラムとは恐れ入る。教育的価値があるとは到底思えない。大槻教授なら、こういう迷妄は教育的に良くないと怒るところだろう。
最後は、「祝祭」のはずだが、少しも楽しくなかった。
どうせやるなら、シェークスピアの『夏の夜の夢』のような分かり易く、楽しいものをやるべきものだと改めて思った。

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