『グッド・バイ 女性操縦法』

太宰治の小説『グッド・バイ』の映画化、とは言っても遺作で、途中までしか書かれていなかったので、脚本の小国英雄が完成させた作品。

プレイボーイ(当時そんな言葉はないが)の雑誌編集長の森雅之が急遽結婚することになり、女性関係を清算するため、闇屋の田舎娘の高峰秀子を臨時の奥さんに仕立て、4人の女性に結婚を断りに廻る。
だが、本当は美人の高峰に惚れて、・・・というよくある筋書きだが、最後に逆転があった。
少々辻褄が合っていない気もしたが、未完の小説に結末をつけるのだから仕方がないだろう。小説と映画では、森と高峰の性格付けも違っているらしく。太宰は全集が部屋にあるが、面倒なので読まない。

と言うより、この映画は、森雅之と高峰秀子の美男・美女ぶりを見れば良いので、筋や性格がどうのこうのと言うのは野暮なこと。
だが、本当に高峰は綺麗で、森の色男ぶりもすごい。まるで、クラーク・ゲーブルである。このとき、『風と共に去りぬ』は、日本公開されていたのだろうか。
また、二人の演技の息が完全に合っている。
『浮雲』の名コンビの、名演技は、「一夜にしてならず」である。

森が相手にしていた4人は、霧立のぼる、藤間紫、清川虹子で、一人だけ分からない女優がいて調べると三村秀子という女優で、以前は松竹にいた人らしい。

島耕二というと我々はすぐ大映と思うが、この頃は新東宝(実態は東宝)でも監督していたと初めて知った。
音楽は、マキノ映画で有名な鈴木静一だが、あまり大したものではない。
神保町シアター

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