『いつかギラギラする日』

日本映画専門チャンネルで何度も放映していたのをやっと見る。
言うまでもなく、1992年松竹の奥山和由により、監督深作欣二、主演萩原健一、石橋蓮司、原田芳雄、木村一八、荻野目慶子らで作られたアクション映画である。
リゾート施設の売上金を強奪した萩原らが、仲間割れをしていく様を描くもので、当時の金額で11億円を使ったとのことで、カーチェイス等のアクションシーンはすごいが、今見ると逆に痛々しい感じがする。

特に、少々いかれた女の荻野目慶子の、異常なはしゃぎぶりがおかしい。
また、木村が手がけているのが、函館のベイエリアのライブハウスというのが、いかにもである。
その全体を覆う狂騒性は、まさにバブル的。
当時は、海部内閣から宮沢内閣に行く時代で、まだ自民党は安泰で、良い時代だったと言えるのか。
「されどバブルの日々」というべきか。

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コメント

  1. アパッチ より:

    月とスッポン
    この映画は、同じ深作監督の「暴走パニック大激突」のリメイク版だそうですが、内容は月とスッポンです。

    以前、深作監督はテレビで「暴走パニック大激突」について、「低予算でポンコツ車のカーチェイスをすごく不満だった」と語っていましたが、この映画で<金さえかければ良いってもんじゃない>ってはっきりしましたね。

    「暴走パニック大激突」を観ていないのなら一度ご覧になって下さい。

  2. nonoyamasadao より:

    ほんの寝巻き
    はじめまして。
    ああ、今あらためて見るとさらばバブルの日は実感でしょうね。
    深作監督は『誇り高き挑戦』と『白昼の無頼漢』が好きでした。

  3. さすらい日乗 より:

    見ています
    ご指摘のとおり、『爆走パニック大激突』は、せこいけどとても面白い映画でした。そこには、深作には珍しくユーモアもあった。
    それは主演の渡瀬恒彦と萩原健一との差、渡瀬の演技の柔軟さと、異常に力みかえった萩原の単調さとの差でもあると思います。女優の杉本美樹も良かったですね。