元衆議院議長・原健三郎氏の死去について

原健三郎氏が亡くなった。97歳だそうだ。
その死について特に言うこともないが、死亡記事の最後に小林旭の「渡り鳥シリーズ」の原作者、中にはシナリオライターとまで書いてあったのがおかしかった。

彼は、若い頃アメリカを放浪し、その武勇伝を自慢していたらしい。それが、「渡り鳥」シリーズのヒントになったのかもしれない。しかし、原作者とは全くの嘘である。

では、なぜ日活は最後まで彼を原作者としていたのか。要は、合法的政治献金・賄賂である。
日活社長・堀久作は、戦前から「政商」であった。今度壊される旧日活国際会館(現パーク・ビル)も米軍への強力な政治工作の結果、駐車場ビルとして払い下げを受けたものだそうだ。
前文化庁著作権課長岡本薫氏の言を待つまでもなく、現著作権法において映画会社はとても強い権利を持っている。その原因の一つは、堀や大映社長・永田雅一らの政治工作の成果だったことは言うまでもないことだ。
この著作権法や、当時も独占禁止法違反の疑いのあった、「六社協定」など、政治的運動を必要とする案件は映画界に多数あった。
そうした時に、「原作料としてお渡ししますが、これで例の件はよろしく」と献金することは、全く合法であった。現在でも合法かもしれない。だから、いつまでも彼を原作者としていたのだ。

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