宮島義勇について

宮島義勇がどれだけすごいカメラマンだったか、本当はよく知らなかった。先日、松本俊夫の記録映画『西陣』を見て、カメラが宮島であり、とても良いのでさすがと思った。

『西陣』の頃(1961年)は、松本俊夫も共産党員だったので、宮島と一緒にやったのだろう。
その後、松本は「新日本文学」派の除名事件(1963年)で共産党を除名される。
先日、死んだシナリオ・ライターの佐々木守は、「新日文」派映画監督の拠点の雑誌『記録映画』の編集をやっていたはずだ。

宮島も70年代には共産党を離れ、過激派の運動の記録映画を撮ることになる。

今、ビデオで見られる作品で宮島の一番良いのは今井正の『夜の鼓』だろう。
これは、近松の『堀川波の鼓』を映画化したもの。
三国連太郎の妻有馬稲子が、夫の江戸詰めの間、その不満で鼓師の森雅之と出来てしまうという話。
今、2時間テレビで女優がさんざやっているドラマの江戸時代版であるとも言える現代的な作品である。

この作品では、有馬がさんざ今井に演技を絞られたのが有名。
有馬を金子信夫がやろうとするとき、有馬が「待って」と言う台詞にOKが出るのに1日かかり、そにため金子は腰痛になったそうだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. Unknown

    小林正樹監督との
    「怪談」「切腹」などの
    映像も素晴らしいです。

    吉村公三郎監督の「足摺岬」の
    カメラもそうでしたね。
    木村・津島の七人の侍カップルが
    岬の付近を歩く夢のような映像が忘れられません。

    宮島義勇が共産党員だったのは
    知りませんでした。

    過激派といわれる方々の作品は「なぜか」
    というか「さすが」といいますか
    とても面白いものが多いですね~。

    「夜の鼓」はぜひ見たい作品です。
    今井監督ってそんなに厳しかったんですか。

  2. さすらい日乗 より:

    蔵原惟人より偉かったらしい。
    宮島のことを書いた山口猛の『天皇と呼ばれた男』(草思社)によれば、宮島は共産党の文化運動では最上位の理論家・蔵原惟人(監督蔵原惟善、惟二兄弟の叔父)より地位は上だったとある。
    戦前からの党員で、戦後東宝争議を指導し、スト終了後退社、左翼独立プロで活躍する。
    だから、『人間の条件』や『怪談』『切腹』等の5社以外の作品をやっているのである。

    今井正も勿論党員。東宝ストのときは当事者ではなったが、退社し独立プロで秀作を作る。
    『にごりえ』も大傑作で、オムニバス・ドラマの構成は蜷川幸雄の名作劇『にごり江』の構造に明らかに影響を与えている。