大誤報

テレビ局の運動部でアルバイトをしていたとき、大誤報を起こしたことがある。
その局では、9時半に試合の結果だけを伝える「プロ野球速報」と、11時すぎに経過も含めて詳細を報道する「プロ野球ニュース」の二つを放送していた。「プロ野球ニュース」を放送するとその日の運動部は終わりで、皆タクシーで帰る。当時は、アルバイト学生までタクシーで帰っていた。

ある日の「速報」のとき、担当者から甲子園での阪神・巨人戦を、「村山が完封し、辻恭彦が延長10回にホームランを打って阪神のサヨナラ勝ち」と聞いたので、1-0と出した。
ところが、ランナーがいたので、本当は2-0だった。

黙って「プロ野球ニュース」で2-0と出すと、
考査室から「さっきの速報と違うが、どっちが本当なの」と聞いてきた。
勿論、速報は間違いだったのだ。
その後、私にアルバイトの口はかからなくなった。

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