ネット社会が進むほど、イベント、展示会、会議とうが増える

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昨日は用があって藤田正さんにお会いした。

用があってお会いするのは20年ぶりくらい。藤田さんは、『ミュージック・マガジン』の編集者で、私の初代の担当。マガジンを辞めた後は、『バッド・ニュース』を出されていたが、今はフリーの評論家、編集者として活躍されている。

前に中村とうようさんが亡くなられたときに書かれた記事で知られた方も多いだろうが、あそこに書かれたとうようさんについての事項は大体は本当のことであると私は思う。

彼は取材で新宿の東京都庁に行ってきたとのことで、中身を聞くと東京都と東京ビック・サイトの展示業者との会議で、日展協の会長はときくとリード・エキジビション・グループとのこと。

リードは、その名の通り外資系の展示業者で、私がコンベンション業界に係わったころにできた会社で、社長は石積さんである。

当時は、インターネットが進行していて、ネットで情報が得られるようになれば、展示会や会議はいらなくなるのではという意見もあった。しかし、実際は情報は得られても、本物を見たいという気が増えるので、逆に展示会は日本でも増えている。

音楽でも、配信等で聴けるが、感動すれば本物でさらに感動したいということになり、コンサートやライブなどは近年極めて増加し、そのためもありCD等は売れなくなっているのである。

また、近年の傾向として、若者が内向きになり、海外への留学等が減っているのは何かとなった。

それは、戦後の若者にとって、アメリカの音楽やファッション、欧州の映画、演劇、小説等は憧れの世界で、みな憧れたものである。だが、1900年代以降、日本のそうしたサブカルチャーも向上し、海外のものと大して変わりがなくなった。

1960年代まで、アメリカのポピュラー・ソングと日本のカバー曲との間には、大きな差があり、私たちは「アメリカン・トップ40」などのアメリカのヒット・ソング紹介の番組を毎週聴いたものである。

だが、今そんな若者はいないだろう。日本のAKB40で、十分だからである。きびしく考えなければ、あれで十分というのが一般のレベルだろうと思う。

1990年代初頭に行い、私も関わった「ウォーマッド横浜」が、90年代中頃にはできなくなったのも、大きく見れば若者たちのそうした意識の変化に遠因があったのかと思った。

コミック・マーケットやキルト・フェステイバルについても話したが、それはまた書く。

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