増村保造監督作品だったので、金沢区東富岡のツタヤで借りてきて見たが、増村にしては、いまいちだった。
主演田宮二郎、加東大介、藤由紀子、船越英次ら。
岡山の不動産屋の田宮のところに加東が工場用地だと言って土地の買収話を持って来て、多くの地主から土地の買収を斡旋する。
実は、新幹線(山陽新幹線だろうが)の買収工作で、公団に転売して加東が儲けたことを知り、さらに加東と公団専務船越、そして秘書で加東の差し金で愛人にさせられた藤らを知り、彼らを脅すが、最後藤は加東に殺され、汚職も暴かれる。
それを感謝する刑事に田宮は言う、
「ただ、金儲けのためにやっただけです」
この辺は、増村と脚本の白坂依志夫の心意気だろうが、全体として面白くないのは、爽快感がないからであろう。
藤由紀子はなかなかの美人だが、この作品等の共演で田宮と結婚し、引退する。
大映には良い女優がいたなと思う。
社長の永田雅一が女好きだった性なのだろうか。
『黒の試走車』で始った大映黒のシリーズ11作目で、最後の作品。