うるさい演劇

ライブミュージカル『やし酒飲み』は、お蔭様で大盛況、そして大変な盛り上がりで終わった。
特に、最終日6月1日5時の最後の公演のフィナーレはすごかった。
役者の高校生をはじめ観客、参加者全員が涙、涙だった。

そして、今回演出の田村光男、途中から参加できなくなってしまったが、劇の基本的構成を考えてくれた下川博、そして企画の私の考えにあったのは、近年流行の「静かな演劇」とは正反対の「うるさい演劇」をやることで、それは完璧に果たせた。

芝居、演劇とは、言うまでもなく歌舞伎の語源である傾き者(かぶきもの)たちが行う、普通とは異なる異常な行為であり、本質的に騒々しく、派手で、うるさいものである。
日常生活のような「静かな時間」の再現を見るために、なぜわざわざ劇場に行かなくてはならないのか、私は不思議でならない。

今回、見てくれた人の感想に、「昔のアングラ劇みたいだった」、あるいは「自分は見ていないが、福田善之の『真田風雲録』ってこんな感じだったのではないのか」と言った感想があった。
それは、完璧に我々の意図を言い当てていて、まさにそれが今回の狙いだったのである。

騒々しく、派手で、うるさい「祭りとしての劇」、それは実現できたことはとても幸福だった。
それは勿論、高校生の頑張りだったが、半分は見に来てくれた皆さんのお陰である。
本当に有難うございました。

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