『婚期』が最高だった

三百人劇場の吉村公三郎監督の『婚期』が最高だった。
ホテル(春山荘とあったが、椿山荘のことだろう)の社長の船越英二とその妻京マチ子、家の独身の二人の妹、若尾文子と野添ひとみとの嫁と小姑の戦い。

船越の女性関係のイザコザ、嫁と小姑との戦いが傑作である。
脚本の水木洋子がすごいのは当然として、この三人の女優がうまいのには改めて感心した。

この頃の水木は、本当にすごい。
『おとうと』『もず』『甘い汗』どれも傑作である。
先日見た『その夜は忘れない』あたりが、メロドラマの凡作だが、これは構成で、脚本は白井更生と若尾徳平。

水木は、2003年に93歳で亡くなったが、晩年は痴呆状態だったらしい。その十数年前に痴呆状態になっていた母親を介護し、それが終わったら今度は自分がなってしまったようだ。
白坂衣志夫によれば、映画『怪談』を書いた頃から「霊」に興味を持ち、かなり深入りしたらしい。
今井正も永田雅一から頼まれ水木の脚本で『妖婆』をやることになり、「脚本を読んでぎょっとしたが、準備が進行していたので仕方なく撮った」と言っている。
是非、見たいものであるが、ビデオにもなっていない。

その前に見た『女の勲章』も面白かった。映画のヒットで、テレビでも藤本義一の脚本で、田宮二郎が演じた気障な主人公を夏目俊二がやった。女優は誰だったか思い出せないが。

ところで『婚期』で、北林谷栄の孫で出てきた、久我美子に似た女優は誰でしょうか。分かった人は是非教えてください。

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コメント

  1. のろ より:

    Unknown

    はじめまして。私のろと申します。
    のろも29日に三百人劇場にいました!
    祝日とあって盛況でしたね。

    『婚期』たいへん面白かったです。
    若尾文子さんのファンでして、それ目当てに通っているのですが、吉村監督の作品にハマってしまいそうです。

    北林谷栄さんの孫で出てきた女優さんは、田中美津子さんという方だそうです。
    のろも知らなかったのですが、今回の吉村監督作品『一粒の麦』を観た時に気になっていたので、ちょっと調べてみたところ、吉村作品には端役ですがちょこちょこと出演されているようです。
    『夜の素顔』で、京マチ子さんが一人で泊まった宿の娘さんも彼女でした。

    のろはもう少し三百人劇場通いが続きそうです。
    もしかしたら、すれ違うかも知れませんね。

  2. のろ より:

    ↑訂正です
    田中美津子さんではなく、田中三津子さんでした。
    失礼しました。

  3. さすらい日乗
    田中三津子なのか。配役名の順番から三木裕子だと思っていましたが。あの弟は六本木真というのでしょうね。永田雅一らしい芸名ですね。
    今日は、語学の勉強のためお休みで、明日『地上』を見るつもりです。

    水木洋子の脚本は最高ですね。
    岡崎宏三さん特集ではやらなかったようですが、水木、岡崎では京マチ子主演の『甘い汗』があり、これも爆笑ものでした。
    今度、フイルム・センターの豊田四郎特集でやるので、是非見てください。『如何なる星の下で』も最高の喜劇です。
    『波影』は、以前横浜のシネマ・ジャックで見たときはきれいなプリントでした。フィルターを掛けた日本海の薄暗い感じが見事だと思いました。

  4. 「田宮二郎」でブログ検索してみました。

    「 田宮二郎 」の検索結果で、「さすらい日乗 .. 」さんを紹介させていただきました。つながり系サイトです。