幸福で恵まれた日常生活の不幸

6月に続き、某大学の学生の芝居を見た。
2時間余の劇が、7幕のコントで構成されている。

興味深いのは、その多くが、ある日自分たちの葛藤や原因ではなく、突然不合理な暴力が来て、不幸な目に会うという展開なことだ。
言ってみれば、イヨネスコ的な不条理劇である。
あまりそうした自覚はないようだが。

一見、きわめて恵まれ幸福で豊かな時代の若者たちに、こうした不条理な不幸、不運をどこかで恐れているように見えるのは、どうしてなのだろうか。
それは、現在の小泉構造改革以後の日本の社会の深層の不安を象徴しているのか。
コント芝居の結末がほとんど決まっていないのは、まだまだ考えが不足しているからだが、それ以上に稽古が必要なことは言うまでもなかった。

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