『いとこ同志』

作・演出坂手洋二。出演渡辺美佐子、串田和美、宮本裕子、佐藤アツヒロ。シアタートラム(世田谷パブリックシアター)
渡辺と串田はいとこで、若い頃恋仲だった。串田は、内ゲバで脳を損傷し、記憶喪失の代わりに将来を予知する能力ができ、国のスパイになる。串田のスパイ活動をもとに渡辺は冒険小説を書きベストセラーになる、というような筋はどうでもいいことで、テーマはいとこ婚の問題なのだ。
渡辺の息子佐藤も、いとこの宮本を愛し結婚しようとしている。
要は、いとこ婚への偏見の打破がこの劇のテーマである。
筋も面白いし、役者の演技も悪くない。(宮本と佐藤が、渡辺と串田の若いときを演じるが、宮本のように背の高いスタイルの良い女が、いくら加齢とは言え渡辺のように短側胴長になるのは変だが)

だが、いつも坂手の芝居に感じる疑問をここでも感じた。
それは、この程度の(と言っては申し訳ないが)問題をそう大げさに問題視することはないのでは、と思うのである。
真面目に大問題視するので、どこか違和感を抱いてしまったのである。

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