松たか子がすごい。
昨年の『ヴィヨンの妻』に続き、今年も彼女が主演女優賞だろう。
本来、実に嫌な女なのだ。
裕福な家の専業主婦木村佳乃に言わせれば、「娘を学校に連れて来くる」、かつてのアグネス・チャンのような、生徒より自分の娘を優先させる教師なのだから。
だが、娘の殺人犯への復讐、熱血教師岡田将生を操っての少年Bへの追い詰め、捨てられた母親への思慕を利用しての少年Aへの復讐行為を当然と思わせる観客への演技の説得力は、本当にすごい。
この話は、元をたどれば、ドストエフスキーの『罪と罰』だが、少年Aの最優秀な母親への思慕を見れば母物、因果物だとも言える。
だから、まともに作ればとても古い物語になってしまうのを、監督の中島哲也は、様々な映像テクニックを駆使して、今風に見せている。
『嫌われ松子の一生』と同じである。
中島については、「結局中身がないではないか」という批判も一部にあるらしいが、あれだけ面白く見せれば良しとすべきだろう。
岡田将生が演じる熱血教師は、以前横浜で教育委員をやっていた勘違い男を思わせて、大いに笑った。
公立中学の「学級崩壊」の有様は、これほどではなくても、実にすさまじいのだろう。それも小泉構造改革が加速させたのだろうか、来月公開の『悪人』が明らかにしてくれるだろう。
横浜ブルグ13
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中島哲也監督 「告白」
告白 – goo 映画
公式サイト⇒http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
【あらすじ】
女教師・森口悠子の一人娘・愛美が、森口の勤務する中学校のプールで溺死体にて発見。
森口は終業式後のホームルームにて「私の娘はこの1年B組生徒二人に殺されたのです」と衝撃の…