1978年にシナリオ・ライターの国弘威雄が『東京大停電』という脚本を書いた。
フジテレビの特番用で、一応OKが出て、制作しようというときにストップが掛かって制作中止になった。
多分、電力会社からの圧力だろう。
シナリオのできに、残念な国弘威雄氏は、雑誌『シナリオ』の8月号に載せ、その経緯を書いた。
私も読んだが、大変良くできた話だった。
展開はこうだ。
真夏の東京の8月、暑さで東京湾にクラゲが大発生し、それが東京湾にいくつかある火力発電所の排水溝に詰まって発電所を止めてしまう。
その日は全国高校野球大会で、東京代表が決勝戦に勝ち進んでいた。
そして、決勝戦の昼間は、猛烈な暑さで、冷房の使用が急昇する。
そして、需要が供給量を上回り、ついに東京は停電になってしまう。
そこから関係者の奮闘、努力が始まり、勿論最後は、回復して、電力の節約にやっと皆が目覚める。
まさに今の状況ではないか。まだ、1970年代なので、原発は出てこないが。
これは、勿論空想だが、今年の夏には現実化しそうなシナリオでもある。
全国高校野球大会は、そのやり方を工夫する必要があるだろう。
試合は、午前中のみにするなどの方法をよく考えないと、本当に大停電になってしまうのではないかと思う。