1962年に作られた、幕末江戸のヤクザの下っ端勝新太郎の成長と活躍を描くもの。
元は、1942年に、片岡千恵蔵が、散切りのヤクザを演じたもののリメイクで、監督は同じ森一生。
長屋の幼なじみの娘が小山明子、彼女もこの頃が一番きれいだったと思う。
勝新太郎は、修行のため旅に出て、いろいろなヤクザの仕来りや作法を学ぶ。
この辺の感じは、市川雷蔵がヤクザ伊佐蔵を演じた、池広一夫監督の名作『ひとり狼』に似ている。
その中で、時代は徳川の支配から天使様の御代へと明治維新になる。
そして、ある村で、多数の百姓が仕事にあぶれているところに、勝は遭遇する。
その事情は、河の架橋工事が行われているが、それを請け負った組(元ヤクザ)同士の縄張り争いで、工事が止まっているのだ。
そこで勝は、江戸の大親分の名を借りて、「この場は俺に任せてくれ」と仲裁を成功させて、皆に感謝され、名をあげる。
東京でも評判になり、名を騙られた大親分の水島道太郎も、うまく行って良かったじゃないか、と賛成してくれる。
そして、江戸から東京に変わった家に戻って来る。
長屋を立ち退きさせて、遊技場を作ろうとしているいつもの須賀不二男、清水元ら悪人連中がいて、彼らは勝の親分の河津清三郎と出入りを起こそうとしていて、須賀の策略で出入りになる。
最後、堪忍袋の緒が切れて、勝は単身的に殴り込み、須賀を刺してしまう。
「どこかに逃げてほとぼりが冷めるのを待て」という河津に対し、勝は自首して罪に服すると言う。
勝新太郎の母親は、松竹の名女優吉川満子で、この人が他社作品に出ているのは大変珍しいと思う。
銀座シネ・パトス