『行き止まりの挽歌 ブレイクアウト』

日活が、ロマンポルノを中止し、ロッポニカとして再出発したときの作品の一つだが、ヒットしなかったもの。
話は、新宿のはぐれ者刑事の藤竜也の活躍を描くもので、コンビの若者は村上弘明、課長の成田三樹夫は懐かしい。まだ生きていたのだ。
ロック・グループのグルーピーで、殺人犯の少女が、石野陽子で、まったく魅力がないのが大きな欠陥の一つ。
全体に、藤竜也はアクションを含めて魅力的だが、ともかく暗い。
当たらなかったのは当然である。

中では、途中で暴走族に追われるシーンがあり、そこは横浜の東高島埠頭だった。
ここは、桜木町から新興埠頭に行く、今は遊歩道になっている「ウィンナー」と同じ、はしけ荷役の屋根付きの岸壁だった。
勿論、鉄道が引かれており、主にバルクカーゴの荷役をやっていたが、1960年代中頃からは使用が低下して、半ば遊休状態だった。
中では、川村毅がやっていた第三エロチカが、その水面等を使って大げさだけで中身のない芝居をやったこともある。
今は、もうないので、その意味では貴重な映像である。

見た映画館は、ヒューマントラストシネマ有楽町で、ここはイトーシアというビルの中である。
ここには、昔有楽シネマという小さな映画館があったが、このトラストシネマはテアトルが経営しているとのことなので、有楽シネマもテアトル系だったのか。
ATG作品も、封切りではなかったが1980年代の最後まで上映していたし、また市川雷蔵の『陸軍中野学校』なども見たことがあるが、確かにニュース映画は、東宝系の「朝日ニュース」だった。

この前に見た『弾丸ランナー』は、どこが良いのか不明な作品で、ひどい駄作だった。
こんなものをなぜ「日活100年特集」の1本に入れたのか実に不思議。
日活のナムコ時代の代表作なのだろうか。
ヒューマントラストシネマ有楽町

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コメント

  1. ss より:

    Unknown
    ×村上英明
    ○村上弘明

    「村上英明」なんて聞いたこともない俳優なんで、検索しちゃいましたよw

  2. ありがとう
    直します。