新しいホームページに移行するつもりだったが、まだコメントが設定できないなど完全ではないので、当分はここに書くことにした。
岡田則夫さんが、高円寺の円盤で隔月で行っているSP講談、今月は廃絶芸能ということで、明治、大正、昭和初期には盛んで、レコードも出たが、今はほとんどやる者がなく、消えてしまった芸能の特集。
詳しくは、岡田さのページをご覧いただきたいが、ともかくこんなにも多くの芸能がかつてはあったのかたあらためて驚く。
中では、富士松喜美太夫の新内流し『郭情緒新内流し』、岡本松旭の源氏節『佐倉宗五郎』、糸入講談という美当一調の『決死隊』がすごかった。
富士松では、声色がすごくて、沢田正二郎をやった。沢田は、映画にも出ているが、サイレントなので、声は聞いたことがない。
今回、声色で聞くと、台詞廻しも声の質も、島田正吾、辰巳柳太郎によく似ていることがわかった。
岡本松旭は、源氏節と称して名古屋にいた人らしい。源氏節と言うのは、平家琵琶に対してのものとのこと。
ともかく声も大きく、節回しも上手いのに本当に驚く。やはり、自分で一つの流派を作るような人は抜群に上手いのだろう。
美当一調の糸入講談は、講談浄瑠璃とも言ったそうだが、要は講談であり、話は日露戦争を題材にした『決死隊』
後の肉弾三勇士と同じように、日露戦争の美談、勇猛譚は、当時の大衆芸能に多く作られたが、これは当時はまだテレビもワイドショーもなく、こうした芸能がニュース報道の役割を担っていたことをあらわすものである。
また、浮世亭雲心坊の節真似、要は浪曲の物真似、『紋太郎・重友』などは、本当に上手くて、なにも物まねをせず、自分でやれば良いのにと思うほどだった。
美鳥まさるの口笛、『山の人気者』も大変面白かったが、それはまるで木下恵介の映画の世界だった。
あまり書きたくないのだが、浅草オペラ歌手で、藤原義江の最初の奥さんの安藤文子の曲も掛けられた。
この人の歌はいつ聴いても上手いとは思えない。大正時代のクラシックの歌手は、この程度のレベルだったのだろう。
この次は、12月7日で、この廃絶芸能の続きを予定しているようだ。
高円寺・円盤
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