朝早く、死票になるだろうことを覚悟して投票所に行くと、意外にも人が多い。
投票率は、本当に低いのかなと思いつつ、阿佐ヶ谷に行く。
「学園もの」特集で、『われら劣等生』と『バツグン女子高生・16歳は感じちゃう』
『16歳は感じちゃう』は、勿論内藤洋子目当てで、『われら劣等生』は、ワールド・プロダクションというところが作った珍しい作品なので。
このシリーズは3本あり、監督は佐藤雄三と近江俊郎で、撮影は岩橋秀光であり、要は倒産した新東宝の連中がアイドルや歌手を主人公にして作った添え物作品なのだ。
公式の映画史では、1961年に新東宝が潰れて、その連中がピンク映画を始めたと言われている。
それは間違いではないが、この佐藤雄三のようにテレビ界(日本テレビ)に入った者もいて、その縁で元新東宝の連中とこの作品を作ったのだろうと思う。
同じように新東宝からテレビに移った演出家にNHKの深町幸男がいる。
主演は、田村正和、いしだあゆみ、高石かつ枝、大田博之など。劣等生は田村と高石で、優等生は大田博之といしだあゆみのようだ。
後者は大学進学を目指しているが、前者は高卒で就職するつもり。
新聞部の田村は、ミス・コンテストを企画し、学校と対立し、部長の松村達雄になぜやるのかと聞かれたとき、こう言う。
「進学組は、大学で楽しめるから良い。でも俺たちは高校で終わりだから、なんか派手なことをしたいんだ」
学校の圧力に負けず田村は、ミスコンの投票を行う。
だが、投票箱から出した用紙を校庭のグランドに開けた後、火をつけて燃やしてしまう。
これが彼のやりたいことだった。
いしだあゆみが、目の整形手術をする前で、たいへん可愛かった。