『人生劇場・飛車角』

1963年に、東映東京で作られた作品で、監督沢島忠、主演は鶴田浩二、佐久間良子、高倉健で、後に1960年代を席巻した東映やくざ映画の嚆矢となったもの。

遊女だったお豊の佐久間良子と逃げてきて、深川に潜んでいた飛車角の鶴田浩二は、任侠の義理で、宮川の高倉健と共に殴りこみに行き、7年の懲役を受ける。警察に追われた時、逃げ込んだ路地の寓居で、飛車角は、三州吉良の老侠客の吉良常に会い、共に侠客として認め合う。
吉良常が月形龍之介で、これが非常に素晴らしい。

その間に、鶴田が身を寄せていた小金一家の親分加藤嘉は、暗殺されて一家はバラバラになっていた。
宮川も人力車夫になっていたが、小金一家の後を継いで深川を支配していた水島道太郎の奈良平一家の子分に絡まれていたお豊を助けたことから、世帯を持つことになる。
恩赦で3年で出獄した飛車角は、宮川とお豊のことを知り、愕然とするが、二人を許す。
吉良常に誘われて吉良港に行った飛車角だが、そこに宮川が奈良平のところに単身殴りこみ、惨殺されたことを知る。
「宮川は男になったんだ」
そして、飛車角も奈良平の家に殴りこんでいく。
そのセットは、平坦な道から切り返しのある上り坂のある道で、奥には陸橋が見える印象的なもので、ここはよく憶えていた。
この作品を見たのは、30年くらい前に川崎にあった銀星座で、ここはパチンコ屋の二階にあり、東映のやくざ映画の他、東宝のアクション映画も良くやっていた。
上り坂で、奈良平一家の子分達に斬られながら、傷だらけで鶴田が坂を上がっていくところでエンドマーク
日本映画専門チャンネル

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