『ハーダー・ゼイ・カム』を見るまでに時間があったので、渋谷のヴェーラで「映画史上の名作11」に行く。
『ドクターTの5000本の手』なんてなんだと思うが、これがカラーのミュージカルで、前衛的な美術が凄くて非常に面白い。
男の子が、ピアノの練習をさせられていて、そこから悪魔の世界に入るわけで、『オズの魔法使い』だなと思う。
最後は、目出度しめでたしになり、主人公の母親が新しい夫になる男とジープに乗ってきれいな町を走り去る。
1950年代のアメリカの幸福さであるが、これは1960年代には喪失されることになる。
最後にタイトルが出るとプロデューサーは、スタンリー・クレマーである。
シリアスなドラマ『渚にて』や『ニュールンベルク裁判』などを監督したスタンリー・クレマーが、こんなお遊び映画を作っていたとは。
もう1本の『忘れじの面影』は、ツバイクの原作で「見知らぬ女から手紙」だそうで、知らない女からどうして恋愛劇が生まれるのかと思う。
なんと主人公の二人は知合い、きちんと愛し合って子までできる仲なのだ。
だが、なぜか別れて、最後死んでしまった女から来た手紙と言うのだが。
ジョーン・フォンティーンが非常に美しいが、さすがに最初の少女時代は少々苦しい。この時、30くらいだろう。
こういう女性映画は、苦手であることがよくわかった。